北海道地すべり学会

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お知らせ

平成14年度第2回(通算38回)研究小委員会の報告


 

日時:平成15年1月25日(土曜日)午後3時〜5時30分
場所:ホテル ポールスター札幌 4F あかしあ

話題提供:新潟大学教授 山岸 宏光 先生
     「新潟周辺の最近の斜面災害と近況報告」

 様子

 今回は地すべり学会副会長も務められている新潟大学の山岸先生をお招きして,標記の題目でお話をしていただきました。新潟周辺の最近の地すべりとして,1998年から2002年の間に発生した椎泊地すべり,戸沢川岩盤崩落,東川地すべり,大間地すべり,赤泊地すべり,赤玉地すべり,そして小六地すべりの地形的および地質的特徴を紹介していただきました。さらに,近況報告としてはGISを活用した弥彦−角田山塊の斜面変動・地形解析,阿賀野川流域の地すべり危険度評価,新潟焼山のハザ−ドマップ,国土交通省北陸整備局道路防災ドクタ−の活動,そして平成12年5月8日に公布された「土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律」,いわゆる土砂新法に基づく地すべりの危険度判定法の検討作業などについて,視点や現在抱えておられる問題点もまじえてお話をしていただきました。当委員会が取り組んでいる作業との共通点も多く,当委員会としても断片的ではあっても時々の活動成果を形として残し,それを積み上げていくことが必要であると実感いたしました。
  万全ではない体調の中,また,吹雪混じりの天気の中,お出でいただき有益な情報を提供された山岸先生に心から感謝申し上げます。

報告・討議

1.サブワ−キンググル−プの作業進捗状況について


(1)判読表示基準化グル−プの作業進捗状況

(2)判読解析グル−プの作業進捗状況

(3)事例収集解析グル−プの作業進捗状況
様子

 前回の委員会で現在取り組んでいる作業をより確実に進展させるために立ち上げた3つのサブワ−キンググル−プの作業進捗状況が報告されました。立ち上げてから約3ヶ月であり,昨年末に本業の方が忙しかった方が多く,充分な活動成果は報告されませんでしたが,宿題となっていた地すべり斜面での変動域の認定および変動履歴の解析について比較検討が行われました。今後,各ワ−キンググル−プの活動が加速的に進むことを期待しています。

2.地すべり災害情報等デ−タベ−スについて

 

第1回拡大事務局会議において,支部ホ−ムペ−ジの充実の一つとして地すべり災害情報,各種地すべりに関するデ−タおよび過去の支部研究発表会予稿集などをデ−タベ−ス化し,それらを支部ホ−ムペ−ジに掲載することが計画されました。デ−タベ−ス化の実際の作業に対して,技術小委員会および研究小委員会の活動テ−マにリンクする部分があれば協力してデ−タベ−ス化に向けた検討を行いたいとの提案があり,研究小委員会では吉野−滝川地域を対象とした事例収集解析サブワ−キンググル−プを立ち上げたところであり,ここでの作業を参考にして,全道を対象とした情報集積はこれまでの斜面災害を検証する上でも重要であり,研究小委員会の活動とリンクするので,可能であるとの返答をしています。
今後の拡大事務局会議において,技術および研究の両小委員会もまじえてデ−タベ−ス化作業の検討を進めることになりました。

その他

 

委員会終了後,山岸先生の還暦のお祝いを兼ねて懇親会を行いました。委員会で議論し残したこと,現在各自が注目していること,各地で発生した地すべり現象などを肴に,おそくまで,熱心な議論や情報交換が行われました。