北海道地すべり学会

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お知らせ

平成13年度第2回(通算35回)研究小委員会の報告


日時:平成14年1月29日(火曜日),午後3時30分〜6時
会場:札幌東急ホテル3F,松風の間

話題提供
  太田昌宏・赤津敏夫・菅原 巧・成川憲司(和光技研株式会社)
「パ−ソナルコンピュ−タを使用した地すべり地形判読と三次元表現方法」

デジタルステレオ図化機を用いた滝川−吉野地域の地すべり地形の判読例と判読結果の二次元および三次元表現例を紹介していただきました。また,高額なシステムを会場に持ち込んでいただき,反射型実体鏡を用いたこれまでの判読作業状況を一変させる同一画像を同時に,複数の人が判読する作業を体験させていただきました。高額なシステムなので普及には時が必要ですが,広範な分野での利用が可能であり,さまざまな分野の技術者が結集して判読チ−ムを組むことによって多角的で有意な情報を抽出,提供できるものと思いました。写真は怪しげな人の集団ではありません。このシステムを用いた判読作業の様子です。

報告・討議

1) 現地見学会の報告
  平成13年10月18日(木曜日),滝川−吉野地域の概要を把握することを目的とした見学会を開催しました。参加者は委員会メンバ−10名にメンバ−外の現地での説明者および関心のある若い技術者の8名を加えた18名で,対写真を片手に,主に国道451号に沿う地すべり地形や調査・対策工が行われた地すべりなど9箇所を観察しました。観察箇所に欲張ったため,充分な観察時間を取ることができませんでしたが,いくつかの地すべり地形では末端部が現在わずかに変動している状況も把握でき,有意な見学会だったと思います。
2) 空中写真の判読状況の報告
  現在,5グル−プに分かれて空中写真を回覧・判読を行っています。グル−プ毎および個人から今までの判読作業を通して気付いた興味ある判読例,判読上の問題点,判読指標などを報告し合いました。空中写真の回覧が一巡しつつあり,メンバ−全員が対象地域全体を判読することになるので,今後,判読の個人差や地すべり地形の認定基準をチェックするため狭い範囲を全員で判読する作業に着手する予定です。
3) 今後の作業計画の検討
  上記のように対象地域全体の判読作業が終了しつつありますが,認定基準や表示方法に個人差があり,当面,これらの解消に向けた作業を行います。また,対象地域におけるこれまでの地すべり災害事例・調査事例の情報収集を進めることも確認されています。
滝川−吉野地域におけるこれまでの地すべり災害,調査・対策についてご存じの方,情報をお待ちしています。
4) その他
  最近,北海道では各地で豪雨による斜面災害が頻発しています。シンポジウムなどを開催して,このような事例の情報を集積し,特徴を解析する必要があるのではないかとの提案がありました。シンポジウム開催は事業部所管ですので,取りあえず,当委員会としては「最近の豪雨による斜面災害」をテ−マに第3回目の委員会を開催することを計画しています。