北海道地すべり学会

リンクお問合せ サイトマップ

質問1-2に対する回答 (質問:現在活動中の地すべりにおいて、初期安全率の設定は、道路土工 切土工・斜面安定工指針(平成21年度版 p400)では0.95〜1.00となっていますが、計測計器の変動量等による目安はありますか?
また、今まで1.00、0.95、0.98と設定したことがありましたが、0.96、0.97、0.99と設定することはありますか?)

 

一般に計測機器の変動量は確定変動や準確定変動などの変動種別[参考資料Q1-2(1)]に区分されます。

変動種別とは地すべり活動の有無を評価するための指標で、これに基づき活動性の有無を判断した上で、変動ランク(a,b,c)を決定します。

次に、初期安全率の決定は地すべりの規模や活動の継続性、降雨との連動性などに基づき、総合的に判断しますが、北海道建設部は「変動ランクに基づいた初期安全率の目安」[参考資料Q1-2(2)]が提示されており、質問にあるように「1.00、0.98、0.95」と設定する目安が示されています。

また、北海道開発局(道路設計要領)では「地すべり区分(型分類)に基づいた初期安全率の推定方法」[参考資料Q1-2(3)]があり、地すべり区分に応じて「0.90〜0.99」で設定します。

一般的な考え方として、地すべり安定性の均衡状態をわずかに下回っている場合には0.99を採用する事例もあります。

しかし、0.96や0.97等の値については、順解析により算定した値 を採用する場合を除き、初期安全率として採用する事例はほとんど聞いたことがありません。

 

←質問一覧に戻る