技術委員会で実施したアンケート結果(1)から、地下水調査方法の実態について以下に示します。図1 はボーリング調査孔を利用した地下水位の確認方法について集計したもので、観測デ−タの取得方法は手動式水位計が47%、フロート式の自記水位計が16%、水圧式の自記水位計が33%となっています。
H6アンケ−ト結果(2)と比較して、自動計測(水圧式:圧力センサー)によるデ−タ取得が顕著に増加し、課題とされた長期的かつ詳細なデ−タの取得については、近年、観測計器の発展に伴って大きく改善されています[参考資料Q1-6(1)]。
(1)地すべり学会北海道支部(2012):北海道の地すべり2012, 288p.
(2)地すべり学会北海道支部(1999):北海道の地すべり99, 210p
以下に地すべり調査で実施される地下水調査方法について列記します.それらの留意点は[参考資料Q1-6(2)]で解説します。
・地下水検層(塩水希釈法)・多点温度検層・電気検層等の孔内検層
・上記孔内検層にくみ上げ検層を併用するとより効果的
・1m深地温探査
アンケート結果(1)では地下水検層を実施する際、くみ上げ検層を併用実施したかについての設問を設けました。その結果、無回答を除いて70%で実施されていることが判明しました。
このような結果は意外ですが、地下水検層の実施を仕様に含めている官公署のアンケート事例が多かったこと、近年,実施する頻度が高くなっていることなどがその原因にあると思われます。